ゴルフの「キャディ」という仕事がどんなことをするのか、ある程度はイメージができると思います。
お客様のクラブを持ったり、ボールを拭いたり、OBした時に「ファーーー!!」と大きな声で叫んだり。
ボールを一緒に探してくれたり、各ホールの特徴を教えてくれたり、グリーンのラインを教えてもらったり。
というイメージだと思います。
私自身もそういうイメージでした。
ゴルフ暦は10年以上、人生でキャディについてもらったこと3回。
事情はさておき30代男性の私がキャディとして大型ゴルフコンペの1組に、キャディとしてお仕事を任された時の体験談です。
キャディ業務に興味がある人、今度キャディデビューをする人などに役立てるような内容になればいいと思います。
それではいってみましょう♪♪
キャディの仕事ってどんなことするの
キャディの仕事って何するの?
率直な疑問です。
今回はプロゴルファーに同伴するようなキャディのお話ではなく、普通のゴルフ場でキャディさんをつけてプレーする時の「キャディさん」のお仕事についてです。
まずはキャディのお仕事の定義をまとめてみます。
- コースを把握しコース戦略のアドバイスをする
- グリーンでパットラインのアドバイスをする
- お客様が打ったボールの行方を把握する(一緒に探す)
- 他のホールにボールが飛んでいってしまったら危険を知らせる
- お客様のクラブ管理をする
- グリーンオンしたらボールを拭いて差し上げる
ゴルフをされる方、キャディさんをつけたことがある方は大体イメージ通りですね。
キャディさんの仕事はお客様のゴルフを楽しく安全に、スムーズにいいスコアでラウンドできるようにトータルでサポートすることですね。
そんなキャディさんのお仕事の依頼を本番当日1ヶ月前に引き受けました。
「本当に自分にキャディさんの仕事ができるのか・・・」
私が実際にキャディのお仕事をする前に心配だったこと5選は以下の通り。
- お客さんに失礼なことをしてしまい気分を損ねさせてしまわないか
- 仕事を円滑にできず、ラウンドペースが遅れてしまわないか
- お客様がゴルフに詳しい方で難しい質問をされて答えられなかったらどうしよう
- グリーンの読み間違い、クラブの選択間違いをしたらどうしよう
- ボールをロストしてしまったらどうしよう
以上が本番当日までに心配していたことです。
キャディ初心者なら誰しも心配することだと思います。
悩みを客観的に見ると「お客様に迷惑がかかったらどうしよう」という内容です。
では上記の心配事に対してキャディデビューをした結果、感じたことをまとめます。
お客様に失礼なことをして気分を損ねてしまわないか
具体的な内容の無い、いわば得体の知れない不安からくる悩みですね!笑
こういう悩みほど不安は大きくなるものです。
では失礼なこととは何か。
お客様の名前を間違えてしまうこと、グリーン上でお客様のラインを踏んでしまうこと、お客様と口論になってしまう・愛想をつかされてしまうことなどでしょうか。
お客様の名前を覚えることは中々大変です。私自身、結構苦手です。私の対策方法としてはカートにクラブを積んで準備する段階からわざと名前を何度も呼ぶという方法です。
お客様の名前を覚える裏技
名前だけ覚えようとせず、何かとセットで覚えるということです。テーラーメイドは鈴木さん、タイトリストは田中さん、あ、田中さんはドライバーもウェッジも全部タイトリストだ、田中さんはタイトリストが好きだな田中さんは。
など、ブツブツ独り言を言ってみましょう。
すると実際にタイトリストのキャップをかぶった田中さんが登場して、タイトリスト=田中さんというように覚えやすくなって行きます。笑
あとはラウンド中に無駄に名前を連呼しながら覚えます。
「田中さん、ドライバーです。」
「田中さん、ここからは残り200ヤードありますよ。」
「田中さん、お昼は何を食べましたか?」
「田中さん、実は私の上司も田中さんと同じクラブを使っています!」
など、覚えるまでは名前を連呼すると覚えやすいです。しつこいと思われたく無い場合は心の中で「田中さん!」と連呼してみましょう。笑
それでも名前を覚えられない時は名前を呼ばないというのもありだと思います。
実は結構名前を呼ばなくても対応できちゃいます。
どうしてもパッと名前が出てこなくて、声をかけなければならない時は「お客様」とその方に向かって話せば「あ、俺ね」と気づいてもらえます。
そんなに心配することはありません。
グリーン上でお客様のラインを踏むのはタブーです。
これはグリーンオンした時点から「ピンの左に一つ、右に一つ、奥に一つ・・・」と意識しましょう。慣れるまでは大げさですが指差し確認するのもオススメです。
ティーショットの後に必ず飛んで行った方向を指差し確認するベテランキャディさんもいるので恥ずかしいことではありません。
口論になることや愛想をつかされてしまうことは長くキャディをしていれば1度や2度はあるかもしれませんね。
もしかしたら理不尽に怒られてしまうこと、お客様の誤解で気分を悪くされてしまうこともあると思います。
でもそれはしょうがないと割り切った方がいいと思います。
キャディさんであれば誰でもお客様の満足を願うと思います。
それでも中にはクレーマーや非常識な方もいます。
明らかに自分に非が無い場合は気にすることはありません。
ただし、相手がお客様である以上、無視をしたり適当な態度をするのは良く無いので凛とした態度でキャディをやり遂げたいですね。
ラウンドペースを乱してしまわないか心配
キャディはマスター室からゴルフのラウンドペースの管理も期待されます。
キャディが付いているから大幅な進行の遅れは避けたいです。
私が初めて付いたお客様は1組4名、うち2名がほぼ初心者でした。
やはり初心者の方は時間がかかります。
構えてから打つまで、グリーンでのパットするまで、カートに乗るまでとあらゆる所で時間がかかってしまいます。
100%の対応は無理と割り切る
キャディ一人で4人平等に対応するのは無理だと思いました!笑
明らかにゴルフの進行ペースを落としてしまいそうな2名を重点的にサポートすることに決めました。
しつこいと思われない範囲で、OB方向へ打たないよう警告、残りの距離をお伝えしてクラブの選択を迷わないようにサポートしました。
OBかなと思ったら迷わず暫定球を打ってもらいました。
パットのラインもよく尋ねてくださったので聞かれたらすぐに答えられるよう準備しておきました。
初心者の方は自分の打つ番になっても遠慮していることがあるので、「Aさんが打った後に打ってくださいね。」とか、グリーン上では「Bさんの方が少し遠いですね」と言ってあげるとリズムがよくなります。
あとは全員のスコアは把握できなくてもオナーを把握していると「誰から打つんだっけ??」という時間も節約できます。
プレーヤー個人の技量でラウンドペースは左右されますが、できる限りのことをお手伝いして少しでも円滑にプレーできるといいですね。
お客様の難しい質問に答えられなかったらどうしよう
質問恐怖症です。
答えれられなかったら申し訳ないという気持ちから不安になることがあります。
しかしこれこそ悩んでも無駄なことです。
キャディでもわからないものは、わからない!
マナーや、ゴルフの基本ルールはやはり抑えておきたいですがわからないことは正直にわかりませんと言いましょう!
「勉強不足でした、調べておきます」
「お客さんの方が私より詳しいですね!」
「そうなんですか?お恥ずかしいですが知りませんでした」
など、知らないことがあったらネガティブに捉えず笑顔で明るく対応しましょう。
大抵の方は知らないことに対して激怒はしないと思います。
しっかり学びたい、調べてみる、後半スタートまでに確認しておく等謙虚な姿勢を忘れずに対応しましょう。
コンペのルールやニアピン・ドラコンホールなどがわからないという緊急を要するものは恥ずかしがらずに無線でマスター室に連絡を取り確認しましょう。
グリーンのライン間違い、クラブの選択間違いをしたらどうしよう
まずはグリーンのラインについて。
私はプロではないので明らかな傾斜以外は基本的に自信はありません!笑
私が付いたお客様の4人中2人が毎回必ずラインを聞いてきました。
途中から気付いたことは、2名ともある程度フックかスライスか予想がついていて「これでいいんですよね?」という気持ちからラインを聞いてきているということでした。
「検討もつかないから教えて欲しい」ではなく「こうだと思うけど、どう?」という質問です。
よってお客様と意見が食い違うことがあれば自分の意見を通すのではなく、
「もう一度反対から見てみましょう」
「私はフックに見えるのですが、お客様はどの辺りからスライスに見えますか」
と意見の擦り合わせをしてみることをお勧めします。
お互いが共感した上でやっぱりラインが間違ってしまった場合は素直に謝りましょう。
お互いに確認して出した答えなので、自分の意見を押し付けて間違ったケースよりトラブルや不満は少なくて済みます。
クラブ選択について。
残りの距離から何番のクラブを使うか、私自身もすごく悩みます。
100%の自信があれば「このクラブです!!」と言い切れますが、大抵そうはいかないもの。
そんな時は消去法です。
例えば残り150ヤードでお客様が7番アイアンか6番アイアンでどっちを使うか聞いてきたとします。
「普段は何ヤード飛びますか」と質問しましょう。
「7番が140ヤード、6番が155ヤード」
「7番でショートすると手前のバンカーの可能性があります、6番の方が安全ですね」「追い風ですね、グリーンオーバーするよりは手前からの方がいいですね。
7番の方がいいかもせれません」
など、AよりはBの方がいい。という選択ができるとお客様も納得しやすいと思います。
ボールをロストしてしまったらどうしよう
お客様の打った打球をしっかり見ていてもロストしてしまうことがあるかもしれません。
ちなみに私はAさんを対応をしている間にBさんが打ってしまいロストしました。泣
一生懸命探してもなかったのでとにかく謝罪し、こんな時のために準備していた新しいボールをお渡しし許していただきました。
この対策方法が正しいかどうかはわかりませんが、私が対応したお客様は自分で打って無くしたんだから気にしないでいい、むしろボールを有り難く使わせてもらうと喜んでいただけました。
予想以上に大変だったこと
キャディ実際に体験してみて、事前に心配していたことは当日ある程度対応することができたように思います。
特に大変だったことを3つあげてみます。
1位は毎回グリーン上でラインを聞かれたことです。私はゴルフが好きで年中ゴルフをしていますがプロではないのでラインを聞かれると不安でした。
大抵は間違えずアドバイスはできたと思いますが。
毎回聞いてくるということは信頼してくれているからしっかりアドバイスして少しでもいいスコアを出してもらおうと割り切って前向きに捉えましょう。
2位は4人全員の球の行方を追うことです。
一人のお客様のボールを探しに行っている間に別の方に打たれてしまうとわかりませんでした。
待っててくださいとも言えないのでこういう時はどうしたものか、先輩のキャディさんに聞いてみたいです。
3位は雨です。
グリーン付近ではパター、ウェッジを抱えられないほど預かっているのに雨が降ってきたら流石に傘までは預かれませんでした。
雨は上がりの3ホールくらいだけだったので助かりましたが雨は勘弁してもらいたいものです。
まとめ
以上、私がキャディを1日体験した時の感想、体験記です。
とにかく気を使い気苦労はあると思いますがお客様に喜んでいただくこと、グリーンでのラインが合っていてお客様がナイスパットした時、帰りに1日ありがとうと感謝の言葉をいただいたことなどは心底嬉しく思い、充実した1日だったと思えました。
そういう意味ではお客様に対してできるサービスはたくさんあると思いますし、一人一人キャディに求めるサービスも一律ではないため非常に奥が深く、やりがいのある仕事だなと感じました。
またやってと言われたらドキドキして躊躇しますが、リクエストがあれば再度トライしたい仕事だと思いました。
ゴルフ好きで今からキャディをする方の少しでも参考になれば嬉しいです♪
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